1996年12月、ネット上での新規受注や、精密工業などが集積する諏訪地域の技術力を全世界にアピールする目的でホームページを開設。 http://shinshu.online.co.jp/business/s_vip/ 当初、地元製造業10社が参加し、インターネット上に「諏訪バーチャル工業団地(S-VIP)を形成。
「インターネット受注研究会」 としての会議や勉強会を数回重ね、ネット上に議事録を発表しました。
ホームページを見た企業から仕事の話が舞い込みました。しかし、この話は当時のS-VIP参加企業10社では対応できない大規模なもので、残念なことに断らざるを得ませんでした。
会員企業同士が個々の技術や経営などの情報を議論しあったり、提供できる場として、メーリングリストを開設しました。今までの情報の囲い込みではなく、お互いに共有することで、自社技術の磨き上げとハイテク技術の応用に力を入れるようになります。開設当初35名でしたが、今では約150名(2001年現在)まで会員が増え、メールも2700通を超えました。メーリングリスト上で、「こんな部品を探しています」「こういうものを作りたいんだけど」などの仕事関係の情報や、勉強会・講演会・助成金の情報、新しいビジネスに繋がりそうなネタ、など現在に至るまで活発にやり取りされています。
メーリングリストだけではなく、実際に会ってお互い切磋琢磨しあう、勉強会も開催されました。「マグネシウム」「微細加工」「品質工学」などが初期の勉強会のテーマ。勉強会が進む中で、共同開発の道を探ったり、アイデアを出し合い、現在では精密加工技術と情報技術を組み合わせた医療機器の開発など、プロジェクトが多数立ち上がっています。
メーリングリストや勉強会での情報交換を受けて、自社ホームページを立ち上げる経営者がぞくぞくと増えはじめました。技術紹介、製品紹介、設備紹介など、製造業にもホームページは不可欠となり、各社がアイデンティティーを表現し始めます。製品に関する英語のホームページを立ち上げたところ、今まで取り引きのなかった海外からの新規受注を受ける企業も出始めます。
諏訪地域の町工場がLCVの高速回線を使うことで、ネット上でのCADデータのやり取りや、ネット上のテレビ電話での打ち合わせなどで、時間と距離の短縮となり、納期が早まるなどの事例が紹介されました。
・ネットワークで変わる社会 「家庭にコンピュータ新時代」(TBS編、1998) ・NHK教育「視点・論点」 「バーチャル工業団地」(NHK、1999)・ビジネスWave #69 「FOCUS ビジネス最前線 ネットを活かせ!町工場」(スカイパーフェクTV、2000)