マスコミに紹介された記事を一部掲載いたします。
1996年
信濃毎日新聞--1996年12月21日】 →詳細
信濃毎日新聞--1996年12月27日】 →詳細
1997年
日経産業新聞--1997年4月10日】 →詳細
日経マルチメディア--1997年8月号】 →詳細
1998年
日経マルチメディア--1998年4月号】 →詳細
日経マルチメディア--1997年8月号】 →詳細
朝日新聞(夕刊)--1998年9月2日】 →詳細
1999年
実業の日本--1999年5月号】 →詳細
月刊NO(エヌ・オー)--1999年9月号】 →詳細
2000年
日経メカニカル--2000年2月号】 →詳細
日本経済新聞--2000年3月23日】 →詳細
信濃毎日新聞--2000年10月8日】 →詳細
日経産業新聞--2000年10月19日】 →詳細
熊本日日新聞--2000年11月2日】 →詳細
日刊工業新聞--2000年11月29日】 →詳細
2001年
読売新聞--2001年1月9日】 →詳細
日経WebCOMPANY--2001年4月号】 →詳細
2002年
信濃毎日新聞 2002年1月1日 経済欄】 →詳細
NHK ニュース10   2002年3月6日放送
日経ネットビジネス誌--2002年 3/10月号】 →詳細

メディア情報
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1996年
信濃毎日新聞--1996年12月21日】 →詳細

バーチャル工業団地 「光る技術武器に」ネット上で受発注

諏訪地方の製造業関係者らが、インターネット上で資材、部品の受発注を行えるホームページ「諏訪バーチャル工業団地」をこのほど、公開した。各社独自の技術力や製品を日本全国にPR。既存の受注関係の枠を超えてビジネスチャンスの拡大を目指す先進的な取り組みだ。
現在、ホームページには精密部品、光学機械、樹脂フィルム加工など約十社の情報が掲載されている。ホームページは現在構築中で、完成すると工場団地の三次元映像が現れ、団地内の企業の製品紹介や設備内容などが見られる。今後は掲載企業を増やし、各企業が抱えているその時点の仕事量もリアルタイムで表示し、どの企業に発注できるか、判断できるようにしたいという。
大橋代表は「これまで営業力のなかった小さな企業でも一つでも光る技術を持っていれば、インターネットを武器にして受注獲得に結び付けることができる」と話している。

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信濃毎日新聞--1996年12月27日】 →詳細

街や産業の活性化へ 広がるインターネット利用

諏訪地方の製造業関係者らが12月9日に開設した、資材、部品の受発注が行えるホームページ「諏訪バーチャル(仮想)工業団地」。これまでの下請け、系列企業など既存の枠組みにとらわれず、インターネットを通して各社独自の技術力や製品を日本全国にPR、ビジネスチャンスを広げていこうという狙いだ。
大橋代表は、「インターネットを製造業にとってのインフラストラクチャー(経済活動の基礎となる社会的生産基盤)と位置付け、空洞化などの問題を抱える諏訪の製造業の活性化に役立ちたい」と意気込んでいる。

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1997年
日経産業新聞--1997年4月10日】 →詳細

「モダンタイムス2001 電脳社会なんて怖くない
    第1部 仮想が現実となる日 サイバーへ匠たちの「脱藩」」

「いつまでも企業城下町にとどまっていたのでは新しい産業潮流は見えてこない」。
地場産業の情報発信に取り組むインダストリーウェブ代表の大橋俊夫は地元十社の若手メンバーと”脱藩”に踏み切った。全国でも珍しい製造業の仮想モール 「諏訪バーチャル工業団地」をたち上げる。 広くインターネット上に市場を探そうとの試みだ。

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日経マルチメディア--1997年8月号】 →詳細

「特集2 日米で拡大するエレクトロニック・ビジネス
    〜ECで中小製造業の苦境脱出を図る インダストリーウェブ研究会」

企業・製品情報の標準化に乗り出す
96年6月にようやく、共同受注を目指すホームページ「バーチャル工業団地」を製造業10社の参加で立ち上げた。97年春には実際に、ホームページを見た企業から仕事の話も舞い込んだ。ただ、この話は10社では対応できない大規模なもので、断らざるを得なかったという。このため、今年10月に参加企業を40〜50社に拡大し、本格的な共同受注体制を敷く。

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1998年
日経マルチメディア--1998年4月号】 →詳細

「パイオニア列伝 大橋俊夫
    〜諏訪の製造業の復権かけ ネット上に仮想工業団地を建設」

製造業10社の参加を得て、共同受注を目指す「諏訪バーチャル工業団地」の立ち上げにもこぎ着けた。96年春には、実際に仕事の以来が舞い込む。ところが案件が10社で受けるには大きすぎて、断らざるをえなかったという。
このためバーチャル工業団地の拡大に着手し、97年10月には参加企業を40社以上に拡大し、受注体制を強化した。今では60数社からなる”工業団地”に成長している。
「これからの企業には、情報の有効利用が不可欠です。残念ながら製造業、特に中小企業は相当遅れています。 製造業の根幹である技術を取引先以外にも広く知らしめて、各社がそれぞれのアイデンティティを確立していくことでしか、今の時代を乗り切ることはできません。インダストリーウェブがその手助けになればと考えているんです。」
熱っぽく語る大橋に、その驚くべきバイタリティの源は何か、尋ねてみた。 「小売業者とはいえ、私も製造業に携わる人間です。何か自分が作ったモノを残したい。そう、それがインダストリーウェブなのです。バーチャルな世界に足元をすくわれず、常にモノ作りにこだわった。だからこそ良い仲間を得て、実現できたんだと思ってます。」
現在、あらゆる企業が先の見えない不況に苦しんでいる。この状況を打破するのは、政府や大企業が大上段から振りかざす施策などではなく、大橋のような熱意有る個人の地道な努力かもしれない。

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朝日新聞(夕刊)--1998年9月2日】 →詳細

経済気象台 バーチャル工業団地

長野県諏訪・岡谷にあるバーチャル工業団地には製造業を中心に70社が加盟している。1996年秋に「一社でホームページを作るよりも、みんなで作ったほうが便利だ」ということから始めた。「団地」内での意見交換の議事録などもすべて公開されているので、思いがけないところから反響がある。

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1999年
実業の日本--1999年5月号】 →詳細

「中小企業とはいえ、上から仕事が降ってくるのを口を開けて待っているような姿勢では、もう通用しません。情報を発信して自らをわかってもらう努力が必要です。また、従来は結びつきが不可能だった企業や人がネットを通じてつながることで、新しい価値が生まれるはずです」諏訪バーチャル工業団地の実現に奔走してきた大橋俊夫氏はそう語る。
ホームページ上で参加メンバーの情報を公開するとともに、メーリングリストを使って情報を交換。従来ならば「向こう三軒両隣」のレベルだった交流を格段に広げ、メンバーどうしで新しい仕事の輪を広げると同時に、S-VIPとして仕事を受注しようというわけだ。
「いままでは大手メーカーがモノづくりの中心でした。しかし、各企業が持っている力をネットワークで結集することができれば、地方がモノづくりの中心になれるはずです」
現在、S-VIPのメーリングリストでは、勉強会のお知らせや新しいビジネスにつながりそうなネタが交換されているほか、「こんな部品に心当たりありませんか」「こういった仕事の見積りをお願いします」といった仕事関係の情報も活発にやり取りされている。しかし、こうなったのは最近のことだという。
「従来、自分だけで抱え込んでいた情報をオープンにすることに、メンバーがようやく慣れてきたところです。これから本格的に仕事につなげていこうという段階ですね」
ビジネスにつながりそうな情報は外に漏らさず、あわよくば仕事を独占したい--というのは自然な感情だろう。しかし、一社にできることには限界がある。会社の規模が小さければなおさらだ。そこで複数の企業をネットワークで結び、あたかもひとつの工業団地、いや、ひとつの会社のようにまとまって、外部の企業と接するのがバーチャル工業団地のひとつの理想のはずだ。また、内部で新しい関係を築く場合にも、情報の共有化は欠かせない。
「ホームページをつくるときに何を表現するか悩むのと同じで、技術や理念がなければモノは売れません。新しいことに取り組んできたようで、突き詰めてみれば企業のアイデンティティを確立させなければならないという、基本に立ち戻ったような気がします」
「旧来のリソース(資源)の上に、新しい資産を加えて会社をつくり直す、第二の創業をしなければならないと思います。そして、製造業の火が消さない努力をしなければ。人間がサルから進化できたのは、モノをつくったからでしょう。その意味でいえば、これは人間への回帰運動ともいえますね」
今後S-VIPの取り組みが本格化すれば、第二の創業を経た新たな”スーパー中小企業”の登場を促すことになるだろう。そしてそれは、S-VIPの目標である「日本の製造業のひとつのモデル」へ向けた大きな一歩となるに違いない。

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月刊NO(エヌ・オー)--1999年9月号】 →詳細

諏訪バーチャル工業団地の試行錯誤
1社に多数の下請け企業がぶらさがる典型的な企業城下町とは異なるとはいえ、この岡谷の町でも、親企業の海外シフトは少なからず影響を与えている。
しかし、地元企業も、この状況に手をこまねいているわけではない。もともと技術力をもつ産業集積地であり、独立心は旺盛。若手が中心になった新たな試みが、地域をかえようとしている。

情報発信のインフラづくり
「企業城下町として、このまま先細っていくわけにはいかない」
こんな思いから、機械商社・オオハシの大橋俊夫専務ほか、有志20名が中心となり96年に立ち上げたのが「諏訪バーチャル工業団地」だ。 これは、インターネットを介した情報共有化によって、一般的な工業団地にある集積メリットをバーチャルな空間にも広げようという試みだ。
じっさいの活動としては、メーリングリストを整備し、これを通じた会員間の情報交換や、資材調達情報の公開といった「情報交換の場の提供」を行うほか、勉強会なども行っている。ちなみに、現在の参加企業は70社、メーリングリストへの登録者数は、個人を含め100名に達したという。
「各企業にいま必要なのは、コア技術は何なのかを再確認すること。そして、それを相手に伝えるスキルとノウハウを培うこと」と大橋氏は指摘する。

動き出した企業連携の波
 岡谷市は以前から、受注開拓や高度情報支援に積極的な自治体。その市がバーチャル工業団地のコンテンツに着目し、企業の情報化を支援する事業を構築。これを含む市の事業計画が、98〜99年の2年にわたって中小企業庁の委託事業である「コーディネート活動支援事業」の対象に認定されたのだ。
  バーチャル工業団地の協力で進めている具体的な事業は、公募企業のうち50社を対象にインターネットを活用した受発注など、高度利用研究の実験などを行うもの。地元CATV局の協力により同軸ケーブルを使用し、データー送信を高速化した点が強みだ。
この実証実験がもたらす効果は未知数。だが、わずか20人の有志による諏訪バーチャル工業団地の立ち上げが、行政の協力を即したといえる事実がここにある。この行政の支援を追い風に、地場産業地域の挑戦が今後も続けられることは、間違いないだろう。

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2000年
日経メカニカル--2000年2月号】 →詳細

挑戦の軌跡 中小企業の「e-ものづくり」を目指す
地域の企業集積をインターネットで活性化

バーチャル工業団地の目標は、新規受注の獲得だった。しかし・・・
そのころ(1997年)大企業も、インターネットを資材調達に使えるのではないかと気付き、自社のホームページに資材調達のためのページを設けていました。これまでのような、大企業を頂点とし、中小企業を底辺とするピラミッド構造ではなく、大企業と中小企業がネットで対等に出会うように、企業間の関係も変わっていくのではないかという期待が膨らみました。
ところが、フタを開けてみると、バーチャル工業団地が、なかなか参加企業の仕事に結びついてこない。なぜなのか。ネット上で知り合った大企業の調達担当者のところに売り込みに行って、それがわかりました。仲間4人ほどでクルマを飛ばして出掛けたのですが、実際に担当者と話をすると向こうは「御社は何ができますか」と聞いてくる。それに対して、我々は「ウチもこんな部品ならできます」としか答えられない。でも相手が知りたかったのは、「我々も」できることでなくて、「我々が」できることだったのです。
この時の経験で、我々には「こんなことができる」というコア技術と、それを相手に伝えるコミュニケーション能力が欠けていることを思い知らされました。単に、インターネット上にホームページを載せても、それは電話帳に載った程度の意味しかない。
自分たちを必要な企業だと認知してもらうには、アイデンティティとなるコア技術と、コミュニケーション能力を養うことが、まず先決だと気づいたのです。

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日本経済新聞--2000年3月23日】 →詳細
長野県諏訪地区のベンチャー・中小企業が結成した諏訪バーチャル工業団地(大橋俊夫代表)はネットでの議論と通常の勉強会を併用し、地域伝来の精密加工技術と最新の情報通信技術を融合させた新製品・新事業開発に取り組んでいる。
ただ、こうした試みは議論をリードする人材がいないと話題が拡散し、空中分解しかねない。特に事業化まで持ち込むには、経営を熟知し、外部に広範な人脈を持つコーディネーターが不可欠になる。 ベンチャー支援に使う場合もネットはあくまで道具。いくらネットを駆使しても、ベンチャーを育成できる人材の発掘が重要なことに変わりはない。
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信濃毎日新聞--2000年10月8日】 →詳細
当初は、ネット受注の活発化が目的だったが、「突き詰めると、単に受注経路が一つ増えるだけ。買いたたきのパワーゲームは一層強まる」。そこで、メンバー同士の技術や経営に関する情報交換の場に切り替えた。「ネット調達などで合理化を進めてコストを下げるという方向も確かにある。しかし、各産業のトップを走る企業は少し違う」とみる。例えば下請け企業が、単価1,000円の部品を900円で納入できるようになったとする。「今年は1,000円のままでいい、浮いた分は次の技術革新のために使ってほしい−と考える企業が出てきている。共生の思想と言えるのではないか」。ネットを駆使しながら、グローバル化の中で置き去り」にされた「共生」という関係の構築を目指す。
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日経産業新聞--2000年10月19日】 →詳細
1996年末、若手経営者が中心となってインターネットで受注するホームページを開設した。しかし、期待に反して注文はほとんどこなかった。原因は単純なことだった。「どの企業も、世間にアピールできる独自技術を提示できなかった」からだ。そこでメンバーはインターネットの利用方法を変更。相互に情報交換しながら、自社技術の磨き上げとハイテク技術の応用に力を入れてきた。同時に通常の勉強会も頻繁に開催し、共同開発の道も探った。その結果、精密加工技術と情報技術を組み合わせた医療機器の開発など、ようやく成果がでてきた。
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熊本日日新聞--2000年11月2日】 →詳細
「S-VIP」 企業集積に情報ネットワークを重ね合わせて成長の可能性を探ろうと、若手経営者グループが設けているインターネット上のサイト。平成9年9月頃から、電子メールを会員向けに一斉に発信するMLを使い、日々情報を交換している。これまでに2600通ものメールを配信した。中身は「講演会でこんな話を聞いたとか、こんな仕事があるよとか、何でもあり」。
S-VIPの最初の狙いは、ネットで仕事を受注することだった。大手メーカーが資材や部品のネット調達を始めた時期。しかし、受注は伸びなかった。「仕組みだけ作ってもだめ。自分の会社が何をできるのか、コア技術やアイデンティティーがないと仕事につながらないと気付いた」。まず足元を見つめようと、バーチャル工業団地の機能を情報交換の場へと変えていった。
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日刊工業新聞--2000年11月29日】 →詳細
”出店料”で事業運営をしようとしたモール型バーチャル工業団地はことごとく失敗した。S-VIPはそれらと根本的に異なり「即受注ではなく、情報を使いこなす能力を身につけること」に大きな目的があった。実際、新規受注に結びついたケースは少なく、これまでの活動は情報交換を活発にして技術を磨き、アイデンティティーの確立を図ってコミュニケーション能力を高めることが重点におかれていた。
当初、10社だった”入居企業”はバーチャルの強みで区画造成を重ね、現在、150社に増えた。リンクを張る形で自社のHPを立ち上げた企業が多く、情報を使いこなす技術、情報戦略が不可欠であるという認識が浸透してきたあかしとなっている。
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2001年
読売新聞--2001年1月9日】 →詳細
諏訪バーチャル工業団地では、精密工業などが集積する諏訪地域の技術力を全世界にアピールする計画だったが、「地域や企業系列を飛び越えて、いきなりネット上で関係を築くのは難しかった」
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日経WebCOMPANY--2001年4月号】 →詳細

地元企業の独自性をネットで生かし、新しい「モノづくり」を切り拓く

日本を代表する工業集積地の一つ、長野県・諏訪地域。中小下請け企業が2000社以上あるこの地域で、若手経営者たちが立ち上がりインターネットを利用した地元の産業活性化を進めている。過去5年間の経験を資産に、新しい「モノづくり」スタイルを展開中だ。
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諏訪のモノづくり活動を語る
インターネット普及からスタート バーチャル工業団地を立ち上げる

中小企業が集まる諏訪地区で、なんとか地元産業を活性化させようと立ち上がったのが、大橋俊夫氏。大橋氏は地場の産業地域をネット網でつなげることで、世界を相手に商売ができると考えた。が、それを実現するまでの道のりは険しく、取り組み自体が地域全体を見つめなおすきっかけとなる。

・きっかけは電気自動車製造「とにかく何か始めたかった」
 「もたれあいでは決して活性化にはつながらない。個々がアイデンティティーを確立し知恵を出し合って”共栄”することが大切なのです」

・未来のモノづくりにネットは欠かせない
・・・地域の製造業1000社の企業ガイドを集めた岡谷市のCD-ROMの製作に携わったことで、ふとあるアイデアがひらめく。
「CD-ROMの企業ガイドをネットにのせればCALSができる!これなら世界を相手にモノづくりができるんじゃないか」。そうして誕生したのが、地元製造業者の共同受注を主な目的とした「インダストリー研究会」だ。
・・・情報を共有することの重要性、そしてインターネットが製造業にとっていかに有益かを伝えるために、ネット普及の地道な活動を開始した。

・「インターネット・スナック」でネット普及に努める毎日
・・・「インターネットって何?という状況の中、無料で御社のホームページを作ります、と言っても、新種のセールスじゃないかと疑われるばかりでしたよ」と当時を思い出して笑う大橋氏だが、その活動には涙ぐましいものがある。
少しでもみんなにインターネットの秘めた可能性に触れてもらおうと、なじみのスナックにパソコンを数台持ち込んでは製造業者を招き、そこでネット体験をしてもらったというのだ。

・企業の特性や商品力突き詰め、相手に的確に伝える能力必要
まさに草の根活動といえる大橋氏たちの地道な努力。その甲斐あって96年12月、地元製造業10社が参加して、eプラットフォームを目指したポータルサイト「諏訪バーチャル工業団地」を立ち上げた。

・インターネットは自分自身を映し出す鏡である
現在、 諏訪の製造業界では大橋氏を中心に足元を固め、個々のアイデンティティーを構築するためのさまざまな活動を行っている。そのひとつは製造業者の情報交換のためのメーリングリストだ。 3年前わずか35人で始まったメーリングリストも、現在は150人が参加。

「今まではヒト、モノ、カネを社内に抱えることが競争力の源で、そうして発展した会社もあった。しかし、これからは『ネットワーク上での知識の交換を通して、モノづくりを進化させていくことこそが競争力の原動力だ』という京都大学経済学研究科の出口弘助教授の話に深く共感しています。われわれは地域と連動しながら新たな価値を作り、製造業一社一社が『勝者』になることを目指しているのです」

一橋大学院商学研究科教授 関 満博氏

過去5年間の試行錯誤が諏訪地域の資産や魅力になった
  一橋大学院商学研究科教授 関 満博氏

ネットは価格をたたきあう世界
 日本の工業集積地で実験を経験しながら進んでいるのは、岡谷市の大橋さんがやっているバーチャル工業団地(S-VIP)です。ずいぶん試行錯誤して、いろいろな考え方が見えてきた。
 大橋さんはまず最初に諏訪地区の中小企業をネットにのせて、世界から受注しますとやってみた。やってみてまずわかったのは「(ネットは)価格のたたきあいの世界である」ということ。ネットで広く取り引きするのは、ボルトとかナットといった標準品。だけどこれらの製品では安いところ、安いところに注文が流れてしまう。これでは、ネットでやったことが逆に自分たちの首を締めることになる。だから最近はそれをやめてるんです。今はポータルサイトにしようという動きがある。入り口・出口を集約して、諏訪の技術力の集積を持って諏訪ブランドをアピールしていこうと変わってきています。

地元企業のレベルアップが重要
 非常に興味深いのは、そうなって初めて「ネットは空間を越えるからこそローカルを大事にしないとダメだ」と気づいたこと。地元、特に諏訪あたりには下請けの中小企業がたくさんある。そのつながりをつぶしちゃいけないんですよ。その力を蓄えていって、それを全体として使用しなければならないと。大橋さんはこういう言い方をする。「ネットでは毎日、一見の客と取り引きすることになるが、それでは地域が豊かになるわけがない」って。仕事を受けるにはもっと信頼感が必要で、だから「諏訪に任せて欲しい」といえるように、地域全体でちゃんとやれるようにならなくちゃ。こういう考え方に彼らは変わってきている。
 だからこそ、地元企業の技術のレベルアップ、標準化・平準化というのが必要になってくる。ネット化すればするほど地域企業間の濃密な関係が必要になります。諏訪はまさにそういう状況まで達している。
 ネットは場所や空間を超えるはずなんだけど、やってみたら意外と地域の情勢と無関係ではないことがわかった。そこまで進んでいるのは諏訪のバーチャルコミュニティーだけですね。全国に諏訪のような取り組みをしている地域は50くらいあるけど、ほかはまだ始まったばかり。過去5年間でここまで経験し、この仕組みや考え方にいたっているのは、諏訪地域の資産であり魅力でもあります。(談)

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ネットで仕事の受発注・情報交換 「S-VIP」参加70社のIT化進む

ネット上に集まる企業集合体、それが諏訪バーチャル工業団地(S-VIP)だ。ネットを利用した仕事の受発注、サイトによる自社のアピール、メーリングリストによる情報交換などが日々活発に行われている。当初、10社でスタートしたS-VIPも今では参加企業が70社、専門家や識者を含めるとトータル人数は100人に拡大している。大橋氏のビジョンに賛同し自社のIT化を進め、S-VIP設立当時から活躍する主要メンバーを紹介しよう。

製造業は刻々と進化している 岡谷を新しい「モノづくり」の発信基地に
  株式会社ダイヤ精機製作所 常務取締役 小口 裕司氏

一日かかっていた営業が数分に短縮 いまやメールは欠かせないITツール
  コジマ工業有限会社 代表取締役社長 小島 一昭氏

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地元産業の活性化をバックアップ

諏訪地区のIT化が進んだのは、行政の理解とインフラ環境の整備があったから。地元企業と連携して仕事の受発注拡大を目指す岡谷市工業振興課と諏訪周辺地域のネット環境整備を促進するCATV会社に話を聞いた。

民間企業とのパイプ太く 地場産業を全力でサポート
  岡谷市経済工業振興課 工業主幹 杉本 研一氏

CATV世帯加入率98% 快適なネット環境づくりを目指す
  エルシーブイ株式会社 メディアミックス推進部 河西 弘太郎氏

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2002年
信濃毎日新聞 2002年1月1日 経済欄】 →詳細

●「混迷経済に新しい胎動 独自性打ち出し活路を」

2002年経済展望と提言 ::: 佐藤 隆三氏(NY大学大学院教授)、鈴木 敏文氏(イトーヨーカ堂社長)、寺島 実郎氏(三井物産戦略研究所長) 座談会

(略) −長野県では、企業が中国をはじめアジアに生産拠点を移すのに伴い、産業の空洞化が進んでいる。地域を基盤にする産業は今後どうすればいいか。
(略)
寺島氏 : ...(略)私は諏訪・岡谷を中心に中小機械メーカーの若い経営者をサポートしている。そこでは中小企業がネットワーク化を図り、研究開発や資材の共同受注、マーケティングに至るまで力を合わせている。試行錯誤を繰り返しながらシステムを高度化し、ネットワークが際立ってアクティブだ。長野県民は昔から世界の情報をウオッチし、情報に対する感度や欲求が高い。それを大事にしていってほしい。  世界の元気な地域には共通項がある。一つは地場の産業と地場のアカデミズムとの連携。もう一つはグローバルな地域連携だ。中国に出て行くだけでなく、その発展するエネルギーをフィードバックすることが重要だ。 (以下、略)

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NHK ニュース10   2002年3月6日放送

「バーチャル工業団地」と、日拓精工さんが紹介されました。

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日経ネットビジネス誌--2002年 3/10月号】 →詳細

●「インターネットで探す起業のネタ」  〜ユニーク・アイデア発見〜

中小企業がネットを使って横の連携を強め、グループとしての独自性を打ち出そうという試みが、全国各地で進められている。意見交換やノウハウの共有を通じて、企画力を鍛えるのが主な目的だ。中小企業の経営者同士が信頼関係を深め、共同受注や協業を進める狙いもある。 (以下、略)

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ものを作る立場の「企業や個人」と、 ものを使う立場の「企業や個人」の2つが、 一緒になってモノコラする (ものづくりコラボレーション) プロジェクト・サポート・プラットフォームです。
http://www.monocolla.ne.jp/
諏訪バーチャル工業団地への参加申し込み先 : info@svip.ne.jp
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