第34回システム工学部会研究会
地域産業クラスターを基軸とした 産官学の連携と新産業モデルの創出 〜多主体複雑系としての工業集積の現状と未来〜
http://www.sice.or.jp/gyouji/200409/20041210.html
諏訪岡谷地域においては、大学や研究者による学会の開催や、企業間、産学連携の機会を通じて、新たな製品や技術開発に向けた動きが活発化してきました。諏訪圏工業メッセの開催やDTF研究会の活動、世界最速試作センターの企業化など様々な取組みも広がり成果をあげつつあります。
計測自動制御学会システム工学部会研究会は、研究の発表会であるのはもちろん、大学や研究者と企業との出会いの場、連携の場としての意味も強く持っており、ここから数多くのものづくりのプロジェクトも始まっています。
価値づくり研究発表会は過去に2回行われ、その都度、創業や製品開発、企業間の強いつながりに発展するなど成果もあがってきています。 今回は約2年ぶりに開催いたしました。その間の成果など、内容盛りだくさんでお届けいたしました。
↓過去の模様はこちら。
第1回価値づくり研究発表会の様子
第2回価値づくり研究発表会の様子
●メッセの取り組みと諏訪地域の産業創生 日本政策投資銀行 地方開発部 新井 貴
●世界最速試作の試み (株)世界最速試作センター 代表取締役社長 中田一彦
●デスクトップファクトリーへの挑戦 DTF研究会 東洋精機工業(株)技術開発部 小川 毅
●産業クラスターの設計、運営、人材育成 ー フィンランド型プログラム視点からの教示 ー シドニー工科大学大学院 小原重信
セッション特集:地域のアプローチ <価値づくり研究発表会>
今回の研究会の一部時間をいただき「セッション特集:地域のアプローチ」として<第三回価値作り研究発表会>を併催いたしました。
諏訪地域の産業のニーズや技術、大学や研究機関、医療福祉介護のなど社会や現場のニーズを、それぞれの立場のかたが集まり、持ちより、今後のプロジェクトの発足やビジネス化へとしていくきっかけの場にしたいと考えています。
1.地元の取り組み、これまでと今後 ー新たな創業や新しい事業構築を目指してー
司会:(株)丸眞製作所 三ツ井伸二 (価値づくり研究会(価値研)/諏訪バーチャル工業団地)
●伊那の技術者が開発した特殊多目的ヘリコプタ「スカイクレーン」 中村幹男
長野県伊那在住の技術者によって開発された、無人遠隔操作特殊多目的ヘリコプタは、4つのロータを持つ特殊な、かつ独創的な形態であるが、非常に安定して飛行させることが可能です。
●観光用四輪電動補助付3人乗り自転車「ECOTAXI」
(有)野崎デザイン 野崎精一
これら 「スカイクレーン」や「ECOTAXI」のような技術は 今後様々な利用目的に供される可能性がある技術や製品であると同時に、 まだ研究開発やビジネス化を目指す段階であることから、 産業界の高度な技術の提供や事業化への協力により、 次レベルの研究・開発や市場可能性の調査や試みも必要とされてくるでしょう。
2.医療介護福祉機器などのニーズとシーズ発表 ー産学連携を軸としてー
司会:(有)ケルビム 堀内智樹 (価値づくり研究会(価値研)、諏訪医療機器研究会、 ものづくりサロン(工業メッセ主宰)、新連携プロジェクト)
●信州大学工学部医学部のニーズとシーズ紹介
信州大学地域共同研究センター 松岡浩仁
信州大学地域共同開発センターの松岡助教授からは、信州大学工学部と医学部の持つシーズとニーズについて紹介されました。 高度医療でも有名な信州大学医学部ですが、実は医療や介護の様々な現場に実に切実に必要とされていながら、まだまだ実現できていない分野やものがたくさんあり、ここには中小企業であっても容易に参入できる分野があるとのことでした。
●医療現場・看護福祉現場のニーズを提起
諏訪赤十字病院ME 奥山隆之
●レーザとラミネートによるマイクロ流体デバイスの作製と血液検査への応用
東洋大学 工学部 吉田善一
東洋大学吉田教授からはレーザとラミネートによるマイクロ流体デバイスの作成と、血液検査への応用の提案が行われました。 オンサイトで血液検査が可能なマイクロ流路デバイスの作製や、検査、データ通信を複合化した血液検査システムの構築は、中小企業の優れたコア技術を組み合わせることによって実現が可能な分野だろうということでした。
●看護学科現場のニーズやこれまで作ってきた保護具などの紹介
長野県身体障害者リハビリテーションセンター 島田克充
●リアルタイム活性酸素種測定システム
(株)日本ボロン 武林 敬
東京理科大学内ベンチャー企業である日本ボロンの武林氏から、リアルタイム活性酸素種測定システムについての提案をいただきました。 同社では動植物魚体内の活性酸素種の定量評価に応用できる、活性酸素種センサーの開発を行っています。同社は大学が開発した技術を商品化することによって社会に貢献していくことを企業ドメインに明記しておりこうしたビジョンにむけて地域産業も重ねて、協力・協働することが必要でしょう。また、量産化、製品化へのステップを間近に踏み出す状況にあるとすれば、諏訪地域としても積極的に支援すべき課題でもあります。
会場内には、さまざまな展示物が!
ポスターセッション・懇親会
(株)プロテックデザイン/鈴木孝彦
匠の町しもすわ あきないプロジェクト/原雅廣
県内はもとより全国的にも注目されつつある下諏訪町の「匠の街プロジェクト」 観光と商業と製造業と技術者創出の高度に融合した 地域発の新たな産業モデルを創出しようと奮闘しています。 すでに下諏訪町の商業地域には若者たちを中心とした感性豊かな工房型ショップがいくつも出来始めました。 また、あらたな形のインダストリーツーリズムも目指しています。
二足歩行ロボット/諏訪東京理科大学 市川研究室 進化しつづける二足歩行ロボットの実演!
世界的に注目を浴びる日本の二足歩行ロボットを中心とした 先端ロボット技術。諏訪東京理科大の市川先生は、早くから二足歩行ロボットの開発に着手、相当高度な動きを実現しています。このなかから次に必要な開発テーマも浮き上がってきているようです。地元諏訪の企業とのコラボレーションもますます強まるでしょう。
●超多様性生産と情報技術
京都大学 喜多 一 インダストリーネットワーク(株) 宮本幸久/武井政博
●ものづくり人材育成のための地域連携型インターンシッププログラム 京都大学 塩瀬隆之,大庭尚樹,野島弥一, 久保愛三,松久寛,川上浩司,片井修
●産官連携による人材開発新潟県清酒クラスターのケース
愛知学院大学 関 千里
●新しい地域産業政策:民間と行政の役割
京都大学 赤岡功 京都大学 日置弘一郎 京都大学 喜多 一 東京大学 須藤修 東京工業大学 出口弘
産学連携組織準備委員会に向けて
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